マンガ『オレの宇宙はまだまだ遠い』益田ミリ
(ネタバレ感想)
『すーちゃん』シリーズとか『週末、森で』などの益田ミリさんが好きで、新刊が出るたび追いかけてるんだけど、また一つ益田さんワールド全開の素敵な作品に出会えた。
それがこれ、『オレの宇宙はまだまだ遠い』。(※タイトル改題で、現在は『世界は終わらない』になってるみたい)
これまで益田ミリさんといえば、アラフォー女子の共感話が多かったので、今回のような男性目線のお話はめずらしいな~と思ったんだけど・・これがすごくよかった。。
私の中で益田ミリさん作品中No1に踊り出たかも。。
本屋で働く「ちょっといい人」土田君(32)が主人公。この土田君がほんといい味を出してるというか、不器用で、つい「がんばれ~」と応援したくなる愛すべきキャラ。
土田君の何でもない日常と、ときおりぐっとくることが起こる。
ほのぼのしてて、胸がじわ~・・となる。
ハートフルな夜を過ごしたいときに読みたくなる。
(以下ネタバレあり)
話の中に本とかまんががたくさん出てくるので、マンガ好きな自分としてはそこも楽しめた。
話の中で 「無人島に持っていく本」と「あったかい本」を考えるシーンがあるんだけど、一緒に考えてみたくなったり。
(私は「無人島に持っていく本」は『火の鳥』かなあ・・。人間や世界の壮大さに浸りたい感じ。。
「あったかい本」は『うさぎドロップ』が頭に浮かんだ。特に1巻のりんちゃんが小さいころ。)
それから別作品のキャラ、すーちゃんもチラッと出てくる。そういう遊び心も楽しいなと思う。
あと、私が一番グッときたのが、やっぱり叔父さんとのシーンかな。。
「結婚式には間に合わないな」と言ったところ。土田君は必死で冗談で返していたけれど、あの一瞬の間がつらかった。
あと叔父さんが亡くなってから土田君がお香典返しのカタログを見ているところ。。「何選べばいいんだよ。」のシーンがいつも読むたび泣ける。。うう。。
それから亡くなったお孫さんのために『宇宙兄弟』を買いにくるお客さんのところも。。胸がギュウ・・ってなる・・。
名作。
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