【感想】マンガ『バットゥータ先生のグルメアンナイト』ほのぼの×ちょいビター

『バットゥータ先生のグルメアンナイト』著者:亀 全3巻

ほのぼの旅行記なのかと思いきや、ピリッとネガティブな側面もありで面白かった~。

法学者のバットゥータ先生と奴隷の少女リタが旅をしながら、いろんな人に会ったり、時にはトラブルにあったり、そのたびに2人はいろんなことを思うっていうような話です。

『天幕のジャードゥーガル』の著者トマトスープさんが推してたので読んでみたら、いや、そりゃ間違いないわ、てな感じでおもしろかったです。

14世紀の旅行家イブン・バットゥータの『三大陸周遊記』を元にした、グルメあり、イスラム文化ありの旅マンガって感じですね。

まずバットゥータ先生が終始かわいい。何か好きでした。

それで、ゆるほのぼの旅マンガなのかな~と思いきや、たまにネガティブな感じにピリッと踏み込んでる部分もあって、、奴隷とか考え方とか、、「おっ、これは」とちょっと身を乗り出して読んだ感じです。

ビターな苦みを、ほんわか甘みでコーティングしてるような。

助けた人がいい人だと思ってたのに、あれ、何か急にそんな感じに??みたいな展開とか。奴隷のリタが少しずつ自分のことに対して考え方が変わっていくとか。深おもしろかったです。3巻で終わりだなんて残念。

14Cのイスラム圏のことなんて全然知らない世界だから、へえー、へえー、の連続で興味深く読みました。夜の砂漠のラクダ旅なんて、それこそ子供の頃読んだアラビアンナイトの世界みたい。600年の時を超えて、2人と一緒に旅してる気分になりました。

ちょうど今世界史の勉強してるから、ウラマーが学者で、マムルークが奴隷兵隊で、とか習った語句が出てきてうれしかったです。

250608

 

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『天幕のジャドゥーガル』感想。13Cモンゴル帝国の話。

【感想】マンガ『チェーザレ』 優雅な船旅のような作品。

マンガ『チェーザレ~破壊の創造者』惣領冬実(そうりょうふゆみ)

(感想)
チェーザレっていう人は今まで知らなかったけど、それでも楽しめました。

15世紀のイタリア・ルネサンス時代の歴史物語。チェーザレ・ボルジアという軍人・英雄の若い頃の物語です。

ルネサンス時代の空気感がていねいに描かれている感じ。時間もゆっくり進むし、優雅な船旅をしているような作品でした。

絵がとても壮麗で美しかった。。出てくる登場人物もみんな美しいし、建物とかもすごく緻密で。。思わず見とれてしまうほど。

話はチェーザレの若かりし日々の青春物語と、そこにローマ教皇の権力争いなんかもからんでくるという感じです。

コロンブスとかレオナルド・ダ・ヴィンチとか歴史上の有名人が出てくるのがうれしいです。あ、そっか、この人たち同じ時代か~などと思いつつ。

イタリアの地名とかもだいぶ分かるようになったのもよかった。

チェーザレの家臣のミゲルがクールで好きでした。チェーザレとの関係性も一見フランクに思えるけど、すごく忠誠心があって、深い関係なのがシビれます。。

アンジェロはずっと癒やしの存在だったし、チェーザレは何だかいつもどこか切ない感じでした。

これから何度も読み返すと思います。そんな作品に出会えてうれしい。

250607

 

 

【感想】マンガ『天幕のジャードゥーガル』モンゴル帝国の歴史、文化、深面白い~。。

【感想】マンガ『天幕のジャードゥーガル』著:トマトスープ

モンゴル帝国の歴史、文化、いろいろ知れて深面白い

ちょうど今私世界史を勉強してまして、当時のイスラム文化とかモンゴル帝国のこととか、たくさん知ることができて楽しいです。

舞台は13世紀のモンゴル帝国で、イランから奴隷としてモンゴルに連れてこられた少女が、知性や教養を使って生き抜いていく話です。

「ジャードゥーガル」は「魔女」の意味だそう。

物語としては争いがあるから、どうしても悲しかったり、シリアスな場面もあるんだけど。。

それでもそんな中で、この少女シタラがこの先どうなっていくのかな~って興味をそそられる感じです。

絵柄はカワイイ独特な感じ。

あと、ちょいちょいセリフが今っぽかったり、センスあるな~って感じでフフッと笑えるところもありです。

主人公の少女ステラの「何で勉強するのか分からない」っていう問いに対する、ムハンマドぼっちゃんの答えがよかったな。

そこを読んだときに、「あ、このマンガ読み続けよ」って思ったんですよね~。。

歴史好きな方とか、深おもしろいのが好きな方におすすめです。

250604

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2025/5
コミック 5巻発売

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<関連記事>
著者のトマトスープ先生が推している「バットゥータ先生のグルメアンナイト」も面白かった~。

 

 

【感想】マンガ『春はあけぼの殺人事件』コメディ系で歴史もいっぱい。私得で面白かった~。

マンガ『春はあけぼの殺人事件』大和和紀

(感想)
マンガ家の大和和紀さんが好きで、いくつか作品を読んでるんだけど、こないだ買った『春はあけぼの殺人事件』も面白かった。

清少納言が探偵のように活躍して事件を解決する物語で、ちょっとコメディタッチでもあり、歴史史実もたっぷり入ってるという、私得な作品でした。

清少納言のダンナさんの橘則光との軽いやりとりがよかったな。いい関係なんだよね。離婚しちゃうんだけどいい友達みたいな。

あと清少納言がお仕えしていた中宮の定子様とか、かの有名な藤原道長なども出てくるので歴史的にも楽しめた。

たった1話の読み切りなのが残念。
連載で読みたいぐらい。

平安時代の歴史とか言葉とかを調べながら読みました。大和さんのマンガは歴史的に色々と詳しいから、読んでてとっても面白い。

「唐衣(からぎぬ)は一番上に着る衣のことか~。。」とか

「萌黄色(もえぎいろ)ってきみどり色のことなんだー。。」とか。

「伊周(これちか)って誰だっけ・・あ、中宮の定子さんのお兄さんか~」などなど。。

 

そういえば来年2024年の大河ドラマは紫式部で平安時代だ。『あさきゆめみし』読み返さなくちゃ。

衣装がカラフルだといいな~とか、宮殿のセットはどんな感じなんだろう~など、今から映像美が楽しみ。

それまでに藤原家の家系図を覚えておきたいな。。

 

で、マンガの後半は「レディーミツコ」というまた違うお話でした。

明治時代の女性の話で、オーストリアの男性と国際結婚した方の物語。

絵柄はザ・少女漫画!って感じで、懐かしい感じ。話は全体的にちょっとシリアスめ。

これはこれでまた違った趣でよかったです。

230425

 

【感想】『漫画版 徳川家康』文学的表現が美しいな~と思う。

『漫画版 徳川家康』横山光輝

(感想)
面白かった。家康のことが詳しく知れてよかった。

横山光輝さんの絵がかわいらしくて好きなので、読みやすかった。ふりがなを打ってくれてるのでありがたい。

丁寧に家康の物語を紡いでくれている感じがした。大河ドラマ『どうする家康』を見ながら比べて読んでみたい。

大切に手元に置いて、これからも何度も読み返すだろうなと思う。

家康がよく家臣に怒られたりしているのが笑っちゃった。家康にはそれを許す度量の広さがあったのかな~とも思ったり。。

あと、文学的な表現が時々出てくるのがよかったな~。

始めはお大を警戒していた広忠が、ついに心を許して一夜を共にするときの一文

「春陽(しゅんよう)はついに花を抱くらしい」

何か渋いよね。。表現が。
麗しくて、美しいな、、と思った。

230126

 

【感想】マンガ『応天の門』在原業平が渋い・・好き!

マンガ『応天の門』灰原薬

(感想)
めっちゃよかった!
前から気になってたんだけど、買ってみたら大当たり!だった~。

嬉しいな~。。いいマンガに出会えて。。
少しずつ、ゆっくり買いながら読んでいこう~。

とりあえず声を大にして言いたいのは・・

在原業平(ありわらのなりひら)が渋い!カッコイイ・・!好き!

何か憎めない、いい人。
あれは、男女問わずみんなが好きになるね~。

あとなんか絵が全体的に好きー。素敵。。
女性がすごく色っぽい。唇が艶っぽい。

あと、悪いオジサンたちが、それぞれ個性豊かで何かいい味~。。

 

ストーリーも面白い。

在原業平と菅原道真の2人が事件を解決していくんだけど、このコンビの感じがいいなー。

色好み(女好き)な、お茶目なオジサンと、秀才クールな少年て感じで。

 

歴史の勉強にもなる。

藤原良房(よしふさ)が「初の摂政」っていうの、これで覚えられた。

孫が天皇になったけど、まだ小さいから良房が摂政になったんだね。

この孫が清和天皇だな。清和源氏の人だよね。武士の源流になっていくっていう。

そんで良房が養子にした息子の藤原基経(もとつね)が「初の関白」になった人と。

マンガで絵があるとね~歴史って覚えやすいよね~。

しかもこの漫画、キャラが立ってるからさらに覚えやすい。
いいわ~。。

まだ3巻だけどこれからがめっちゃ楽しみ・・。

221120

 

【感想】マンガ『信長の忍び』ゆるかわ時々グッとくる。

マンガ『信長の忍び』

(感想)
最近歴史ものが好きで・・ハマってるのが『信長の忍び』。

基本四コマのギャグ漫画で笑える感じなんだけど、たまにグッと泣けるシーンもある。。いいんだよね。。

歴史の勉強にもなるし、人間ドラマも丁寧に描かれてて、登場人物がみんないい人。カワイイ。

信長と家臣の絆がいい。好き。チームワークいいな~って思う。忠誠心がアツい。信長も優しいし、かっこいい。

忍びの千鳥ちゃんの信長に対する思いも、忠誠心、尊敬、プラス少し恋のような。。微妙な感じがまたいい。

比叡山焼き討ちのところは泣ける。。

戦国時代だから下剋上とか裏切りとかで殺伐となりそうなんだけど、なんか全体的にゆるっとしてて、でも締めるところは締めて。バランスがすごくいい感じ。

ちゃんと史実に基づいてるから、歴史のこと知れるのも面白い。

信長に関してはこのマンガでだいぶ詳しくなった。

今最新刊が18巻まで出てるけど、この先の本能寺が読みたいような読みたくないような。。

みんな仲いいから想像したくない。。

あんなに信長様のことが好きな千鳥ちゃんはどうなるの・・?どれほどの絶望になるのか・・。。

帰蝶はどうなるの?って考えるとつらー。。

 

211019

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(追記)
『信長の忍び』22巻 2025/01/29発売

 

【感想】マンガ『ヒストリエ』エウメネスの恋はいつも切ない。。

マンガ『ヒストリエ』

(感想)
ヒストリエは何回読んでも面白い。。

エウメネスの恋はいつも切ない。。

エウメネスが、巻を追うにつれて段々少年から青年になっていくのが、何かドキドキする。。かっこいい。。

いつもはゆるいのに、たまにスイッチ入るのが、いい。


しかしヘビの丸呑みに何ページ使うねん。

 

210926

 

【感想】マンガ『ギャラリーフェイク』フジタが好き。

マンガ『ギャラリーフェイク』

(感想)
最近『ギャラリーフェイク』にハマってる。
フジタがとても魅力的。

一匹狼、妥協はしない、アットホームが苦手、なあたり、とてもよい。
でも実は情がある。優しいのがまたいい。

アート、芸術についての深い知識と、社会、政治などが絡んでいて、一話一話が深く濃い。

一話完結なのもいい。
毎回、古今東西あらゆるテーマが広く読めて面白い。教養欲をそそられる。

そして何よりいつもそこに「人間ドラマ」があるのがいい。ジーン、、とすることも多々ある。

日々一生懸命、愚直に「働く人」に焦点が当たるのも好き。。
メットの裏方さんの回とか良かったなあ。

レギュラーメンバーの中では、フェイツィが好き。。美しく艶やかな宝石泥棒。

フジタとの関係性もいい。

馴れ合わない。けれど、認め合ってる。いざという時、本当に危ない時は、お互い助け合う、みたいな。

ルパンとフジコちゃんみたい。

 

あと三田村館長との関係性もいいね。フジタが館長に怒られて、いつも喜んでるのが面白い。

館長が酒飲みなのもいいね。

210125

 

 

【感想】マンガ『火の鳥』マサトの「未来編」の壮大な話が好き~。望郷編、復活編、異形編も。

『火の鳥』手塚治虫

(感想)
『バーナード嬢曰く』というマンガの一コマで『火の鳥』の何編が好きか話すシーンがTwitterで話題になってまして。。

久々に『火の鳥』を読み返しました。

面白かった・・!!

私は「望郷編」が好きでした。
頭からツノが生えてる種族が、かわいいし素朴で好き。。
コム、いい子だな。。

目と耳がない代わりにその触角で感じるんだけど、「女王様に会うときちゃんとした格好していきなさい」って言われて、「人間ってめんどくさいな」みたいに言うのが面白いなーと思った。

感覚の違い。

人間は目で見ることに重きを置いてるけど、コムは触覚だから。
逆に言うと「その服は手触りが悪いからやめときなさい」って言われてるようなものか。

 

最後、宇宙商人が「欲」を持ち込んで、国がズタボロになっていくのが「ああ・・」ってなる。。

 

あとやっぱり「復活編」かな~。。ロビタの話は深面白い。。

人間とロボット、AIとか。
これを何十年も前に描いてるのが手塚治虫氏ってやっぱスゴイよね。。

 

あーー「未来編」もいいよね~~。
マサトが神になるのが壮大過ぎてクラクラする。

マサトが一人になってからのあたりの話が一番火の鳥っぽい気がする。
生きるって何、命って何的な。。

 

あと何編だったか、平清盛が意外といい人に描かれてるのが面白かった。
だいたい歴史漫画で出てくる時って、悪いイメージだから。

 

あと「異形編」も好きだなー。
妖怪がどんどん来るやつ。時間が何度も繰り返すやつ。。

ということで・・ダメだ一つは選べない。。全部面白かった。

200430

【感想】マンガ『海のオーロラ』エジプト時代のレイとルツの愛の物語が好きだなあ~。。

『海のオーロラ』里中満智子

(どんな話?)
「生まれ変わって愛を貫く」というテーマで、色んな時代、国で展開される物語。ムー大陸、古代エジプト、卑弥呼の頃の日本、ナチ時代のドイツ、未来など。。

(感想)
久々に読んで面白かった~。。

私は最初の古代エジプトの話がやっぱり一番好きかな~。重厚で面白いのよね~。

レイもこのときが一番かっこいいし。知的でクールで。でも情熱は心に秘めていて。。このときのレイとルツの愛の物語が好きです。

エジプト編は歴史的背景も面白いし、物語も愛だけじゃなく男の友情とか、親子愛とか、あと人が持つ信念の強さとか、いろんな人間ドラマが丁寧に描かれてるんだよね。

文庫本だと全6巻。前半4巻までが古代エジプトの話。

そういえばトトメス3世って聞いたことあるよな~。。

 

次に好きなのは、ドイツ編かな。

ちょっと現代に時代が近すぎるし、テーマが重いから読んでて辛いんだけど。。でも、読み応えというか、深い読後感がある。。

どう生きるか、みたいなこと、考えさせられますわ。。

181130

 

 

【感想】マンガ『天上の虹』額田王はいつまでも憧れのお姉さん。読みだしたら止まらない。

『天上の虹』里中満智子

(感想)
『天上の虹』読みだしたら止まらなくなった~。。里中満智子さんの飛鳥時代の歴史マンガ。いやあ~面白いわ~。。

始まりは645年大化の改新の頃の話。「中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)」とか「白村江(はくすきのえ)の戦い」とか「百済(くだら)」とか、昔歴史の授業で習ったな~ていう名前がどんどん出てくる。。

確か子供の頃に読んでた時、額田王(ぬかたのおおきみ)が好きだったんよね~。。美しくて理知的で憧れのお姉さんって感じで。

今回何十年ぶりに読んで「あーー額田王、覚えてる~~」ってなって懐かしかった。。

今読んでも好きなキャラだったわ。。人の好みってあんまり変わらないんだな~って思った。

181113

 

【感想】マンガ『大奥』8巻。杉下が好きだーー

マンガ『大奥』8巻 よしながふみ

(感想)
大奥、8巻で・・
杉下キター!!

1巻で出てきて1番好きなキャラだったんだけど、ここにきてまた出てきた〜。
うれしー

好きなのよね。。杉下。。
ひょうひょうとして、落ち着いてて、涼しげで。。

なんつーか・・
野心がない?
あらゆることに執着心がない?

このドロドロの大奥絵巻の中の、一服の清涼剤というか・・。
どんどん出世していくし、最後までステキなままなのよ。。

いいよね~。。

130321