マンガ『チェーザレ~破壊の創造者』惣領冬実(そうりょうふゆみ)
レオナルド・ダ・ヴィンチが惹かれ、マキァヴェッリが理想とした伝説の英雄、チェーザレ・ボルジアの物語[公式]
(ネタバレ感想)
美しく、重厚な物語だったな。。
全体的にゆったりと時間が流れていた。
大海原を行く、優雅な船旅のような。。
美しく、荘厳な音楽を聴いているような。。
キャラはミゲルが好きだったな。
キリッとした切れ長の目がいい。カッコイイ。性格もクールで何か好きだったわ。
チェーザレとの関係性も好き。主君を守る最高の家臣で。
憎まれ口叩くけど、それはチェーザレが望むからやってるだけって言ってたし、心ではめちゃ忠誠心というか、ちゃんと心から仕える感じなんだろなというのもあって。
ミゲル自身、チェーザレから離れられないとも言ってたし、、2人の間柄が好きだった。
チェーザレがミゲルに黙って一人で敵と対峙しにいったときに、ミゲルはすごく怒った。
あれは「自分たちのことも考えてくれ」みたいに言葉の上では言ってたけど、本当は「心配した!!もうううう!!!」が怒りに変換されたんだと思う。
チェーザレがミゲルに「自分にはうやうやしくせずフランクに接してくれ」みたいに言ったのは、読んでる時は、チェーザレはただ堅苦しいのがキライなのかなと思ってたけど・・今思うと本当はミゲルと友達になりたかったんじゃないのかなと。
けど立場上それは難しい。だからせめて表面上だけでも友達みたいにフランクに接してほしいって望んだのかな、なんて。もしそうだとすると切ないな。。うう。。
そうだわ。ミサのあと、そうだったもんな。聖職者になるからミゲルとも今まで通りってわけにはいかなくなるっていうとき、すごく寂しそうだった…。あのシーンはすごく印象的ですごく心に残ってる。
うう。チェーザレの心の内を思うと辛くなってきた。。
お祭りもすごく楽しそうだったし。。チェーザレが強く明るくするほど、どこか切なく感じる。。
アンジェロはずっと優しくて癒やしだった。しかもそんなアンジェロがズバッと核心を突くようなことを言うのが好きだったなー。
歴史が学べるのもめっちゃよかった。
ルネサンス時代のイタリア、中世から近世へ移り変わるヨーロッパの空気感、息吹みたいなものを感じた。
ダヴィンチとかコロンブスとか世界史的に有名な人がいっぱい出てきて、あ、そっか、この人たち同時代か〜とか。
あとイタリアの地名とか、位置関係がだいたい分かったのもいい感じ。
フィレンツェとピサは近くて、ピサは海の方にあるんだな~とか。そっか、ローマはもうちょい下で、ナポリは南かとか。だいぶ頭に入った。
何度も読み返したい作品に出会えてうれしい。
250518